最近は物語の力学に関心を持ち始めている。
言葉が何がしかの流れ=物語としての動力を得るための機構はどうなっているのか。あるいは、言葉が時間を表象する作法にはいかなるものがあるか。
基本的なレベルには、当然ながら動詞それ自体の動的なエネルギー(なんと呼べばいいのか。トートロジーっぽいが)がある。「歩く」というとき、何かが物理的に移動し、時間が経過することが表現される。
また、文と文の積み重ねといったことも基本的なレベルに位置するだろう。「そして」に象徴されるように、文に続く文は推移を表現することができる。
この二つで、とりあえずの物語はおそらく構築可能だ。「某が何をした。そして、何をした」というように。
ただ、ここから先が問題なんだよなあ。それには、語り手と読み手それぞれの作法と、両者の関係性の視点からのアプローチが必要だし、たぶん存在としてのテクストのことも考えなくちゃならない。
とりあえず「読者の感情を揺り動かすことを目的とした物語(いったん小説や漫画と仮定しておこう)」に絞って考えるとして、まず大きいところだと、
作者:書き換え
読者:読むという行為(の時間性)
両者の関係性:読み違い
テクスト:言葉の質量、言葉の変化(解釈の可能性としての)
といったことが問題になるだろう(それぞれのレベルが異なるので、もっと体系的に整理していく必要があるかもしれない。特にテクストについては自信なし。問題設定自体これからだ)。
これらは、プラグマティックに、読者をどう感動させるかという視点から取り急ぎ提出される問題であり、まずはその視点から考えていきたい。
そしてまた、1を10にすることは次の議論であり、まずは0を1にするための可能性を探求しなければならないという意識があることも付記しておく必要がある。
たたかいは、始まったばかりなのだ。
続く(少なくとも自分の問題意識として)
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